大判例

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名古屋高等裁判所 昭和25年(う)959号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(理由)

記録に基き審按するに本件の起訴状並びに追起訴状、加藤義則の辯護届及び原審第一回公判調書の各記載を通看するに原審判示の公務執行妨害及び傷害の点は原審辯護人加藤義則の辯護届の提出後追起訴せられたものであることは所論の通りであるが、右の点につき同辯護人は辯護権を行使しており、之に対し被告人には何等の異議がなかつたことが認められる。依つて按ずるに私選たると國選たるとを問はず、辯護人が追起訴の事実に就き辯護権を行使する場合に於て被告人又は裁判所に於て異議がなければ右追起訴の事実についても亦辯護を依囑し該辯護人の承諾を得たものと解すべきは常識上当然の結論である。而して此の場合に於ける辯護届又は選任命令書は辯護の範囲を限定する趣旨の記載がない以上前の辯護届又は選任命令書を流用するものと解することが訴訟手続の円滑迅速を期する刑事訴訟法第一條の趣旨に徴し最も妥当な結論と謂わなければならない。依つて此の点につき更に審究するに前記加藤義則の辯護届には「右者に対する刑事被告事件」と包括的に記載せられてあつて何等辯護権の範囲を制限していないから本件追起訴の事実に就ても亦右辯護届を流用したものと解せなければならない。從つて此の点に関する論旨は理由がない。

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